建築、学生 非日常の日常

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語り得ぬ迫力を語る

先日のオンラインゼミでの、語り得ぬ建築の魅力についての雑談より。

 

作品の迫力に、逃れ得ぬ強迫が込められた力というものが存在すると思っている。

思慮、修練、苦悩、または個人の人生経験。強烈な、読み取り得ぬ深い魅力とはそうした作家の霊魂のようなモノが作品に乗り移ったもののように思えるのだ。

重複するそうした経験がベッタリと作品に込められた時、それは語り得ぬ魅力を披露する。

 

そうしたものは、こうしてやろうと言うような作家の意図を超え、自らのどうしようもない迷いをも抱え込んで、作家の生き方すべてがそこに凝縮したような一つの人格を持つと思える。

 

一人の人物について語ることが、いかに不可能か、それは誰もが分かることだろう。理性だけで語れないところに、人の魅力があり、多くの矛盾が、稚拙さの果に苦悩してエントロピーを減少させる、そうした恐ろしいゲシュタルトが素晴らしい作品なのではないか。

 

感動する。心が震える。どうしようもない感情の高まりが、いかに起こっているのか。

いかに、素晴らしいものを語っていこうか。

 

そして、共通の感動を取り戻すことが時代の大きな課題だ。現代の神話を取り戻すことが文化の再興に必要なのではないかと感じている。