11/30
今日、読み終えた2冊の本から今の人の、今の価値観をみた。
世の中、変わったなと、、。
創造的脱力 かたい社会に変化をつくる、ゆるいコミュニケーション論 (光文社新書)
- 作者: 若新雄純
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/11/17
- メディア: 新書
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ゆるい就職、JK課、NEET株式会社、就活アウトロー採用、、、。
ゆるいってなんだろう。序列でも、かつてあったような平等を謳うでもなく、、。現状では生産性が低いなと思える。固まった社会を生きづらく感じている人々に、うまく場を与えることで何かが生まれてくるといいなと期待させる。
ただ、ゆるくていい、自分なりでいいという選択肢は、なんだか心豊かな気がして、、。日本にももっとアウトサイダーな生き方があってしかるべきなんだ。
ユビキタスを超え、場となってゆくテクノロジー。テクノロジーのエーテルに包まれた世界、コンピューテーショナル・フィールド。
まるで魔法のような世界で、おとぎ話のようだが、いずれ実現することが実感される。
そうか、今は魔法の世紀なんだな、、。
現在は捨象されたものとしてのデジタルも、処理技術の進歩とともに味わいや、はてには感情まで持ってしまうんだろうか。AIがオートメーションで創る作品に共感し感動する日が訪れるのだろうか。
好きなSF漫画の言葉が、予言のように思い出された。
"企業のネットが星を覆い電子や光が世界を駆け巡っても国家や民族が消えてなくなるほど情報化されていない近未来” ー『攻殻機動隊』 第1ページよりー
情報端末に日々接触する我々の、曖昧で、いつの間にか全く変わっている世界観。明日にはSF世界にいても不思議じゃない予感がする。
2冊を読んで実感する。この20年を考えてなんだか遠いところに来てしまったなと、、。それと同時に何かを置き忘れてしまった。ヒトとして大事なものを捨象して生きているなと感じる。
だって最近の人間って人間臭くないんだよな(笑)
著者二人の顔を検索する。どちらも笑ってしまうくらい胡散臭い。
現代の救世主はこうしたアウトサイダーから出てくるのだろうか。
結局、確かなものは何一つ無くなってしまった、それだけが唯一の確かなことなんだと再確認、、。
11/5
地元の映画館、レイトショーで。
良い映画ではなかった。
終始物語はハイペースに進み、それも淡々として、ただただ原作の筋を追ってゆく。
感情移入すること、作品のリズムに乗ること、どちらも許されず取り残される。
観続けられたのは美しいひとつひとつのカット、小松菜奈、菅田将暉の魅力、ちょっとしたシーンのラフな演技の良さ。まとまりきらないが、いくつものパーツが良い。
そうして終局を迎える。花火のようなラストシーンだ。
本当に一瞬だった。何が良いのだか分からない、悪い部分も目につく、、、でも少し、しびれてしまった。
間に魅力がないこの作品は、映像と紙芝居のはざまにあるように思える。
監督、山戸結希、その原石から飛び出る鋭利なモノに知らず内に傷をつけられていた事に戸惑う自分がいる、、。
10/12
89年の新建築を引っ張り出し、伊東豊雄さんの『消費の海に浸らずして新しい建築はない』を読む。
よしもとばななの小説に出てくる少女の生活のような建築を作りたい。ということが書かれていて、すごく意外に思い、また面白かった。
何かを否定するのではなく、そこに浸りきって新しい生活を描き出す、、。
埼玉県立近代美術館に訪れ、『迫り出す身体』を鑑賞。
身体性ぐらいしか現代の拠り所はないんだろうなと、常々思っている。
小畑 多丘氏の彫刻が好きだ。リズムと抽象、現代の身体。
コンビニ人間を借りた。電車の中で読む。
今の生活像ってこういうものなのだろうかと。共感も、生活もない世界、、気持ち悪い。
現代って身体性はない。だからこそ、、、。
バーチャルの海に浸らずして新しい建築はない
身体がない中、どう対岸まで泳ぎきれば良いのか、、、。
9/17
六本木アートデイ
『土木展』
「AFTER GROUNDSCAPE SPECIALー時代の土木、土木の時代ー」
内藤廣さん登壇のトークショーを拝聴しに出掛けた。土木の時代は終わったと3.11が示してしまったとの思いは強い。被災地に出来上がる過剰な構造体は何を生むのだろう、法のもとに出来上がってしまったいびつな結晶に見える。
21_21のただ表層のデザインの展示と、最後の映像ドキュメンタリーの嘆きの余りにもの不調和に戸惑う。
戦後の民主社会の哲学の行き詰まりを強く感じ、新たな哲学の種が見えず苦しい。
ワコウ・ワークス・オブ・アート フィオナ・タン 「Recent Works」
日本の地方を撮った映像がなんだか心地よくて、好きな作家。今回は福島の汚染地域の映像で、抜け殻のSFホラーさながらの風景。扱いきれない力に手をつけたヒトの恐ろしさを感じる。
メトロポリタン美術館所蔵の朝顔図屏風を見に。琳派の色彩とリズムの美しさを踏襲した名画だった。吸い込まれるような青、徹底的に主張を控えた葉の緑、金地の異界。3次元的な色彩の重なりを味わう。