11/5
地元の映画館、レイトショーで。
良い映画ではなかった。
終始物語はハイペースに進み、それも淡々として、ただただ原作の筋を追ってゆく。
感情移入すること、作品のリズムに乗ること、どちらも許されず取り残される。
観続けられたのは美しいひとつひとつのカット、小松菜奈、菅田将暉の魅力、ちょっとしたシーンのラフな演技の良さ。まとまりきらないが、いくつものパーツが良い。
そうして終局を迎える。花火のようなラストシーンだ。
本当に一瞬だった。何が良いのだか分からない、悪い部分も目につく、、、でも少し、しびれてしまった。
間に魅力がないこの作品は、映像と紙芝居のはざまにあるように思える。
監督、山戸結希、その原石から飛び出る鋭利なモノに知らず内に傷をつけられていた事に戸惑う自分がいる、、。
10/12
89年の新建築を引っ張り出し、伊東豊雄さんの『消費の海に浸らずして新しい建築はない』を読む。
よしもとばななの小説に出てくる少女の生活のような建築を作りたい。ということが書かれていて、すごく意外に思い、また面白かった。
何かを否定するのではなく、そこに浸りきって新しい生活を描き出す、、。
埼玉県立近代美術館に訪れ、『迫り出す身体』を鑑賞。
身体性ぐらいしか現代の拠り所はないんだろうなと、常々思っている。
小畑 多丘氏の彫刻が好きだ。リズムと抽象、現代の身体。
コンビニ人間を借りた。電車の中で読む。
今の生活像ってこういうものなのだろうかと。共感も、生活もない世界、、気持ち悪い。
現代って身体性はない。だからこそ、、、。
バーチャルの海に浸らずして新しい建築はない
身体がない中、どう対岸まで泳ぎきれば良いのか、、、。
9/17
六本木アートデイ
『土木展』
「AFTER GROUNDSCAPE SPECIALー時代の土木、土木の時代ー」
内藤廣さん登壇のトークショーを拝聴しに出掛けた。土木の時代は終わったと3.11が示してしまったとの思いは強い。被災地に出来上がる過剰な構造体は何を生むのだろう、法のもとに出来上がってしまったいびつな結晶に見える。
21_21のただ表層のデザインの展示と、最後の映像ドキュメンタリーの嘆きの余りにもの不調和に戸惑う。
戦後の民主社会の哲学の行き詰まりを強く感じ、新たな哲学の種が見えず苦しい。
ワコウ・ワークス・オブ・アート フィオナ・タン 「Recent Works」
日本の地方を撮った映像がなんだか心地よくて、好きな作家。今回は福島の汚染地域の映像で、抜け殻のSFホラーさながらの風景。扱いきれない力に手をつけたヒトの恐ろしさを感じる。
メトロポリタン美術館所蔵の朝顔図屏風を見に。琳派の色彩とリズムの美しさを踏襲した名画だった。吸い込まれるような青、徹底的に主張を控えた葉の緑、金地の異界。3次元的な色彩の重なりを味わう。
9/15
後期授業開始。今期は専門のみである、自由時間も多くなる主体的な学習の本当に良い機会だ。
『 レクサスデザインアワード』伊東豊雄氏登壇トークショーを青山ブックセンターにて拝聴。『町並みの美学』読了。町並み、デザインにおける日本的なるものと、西洋的なるもの。偶然2つが連関する。
閉じた形象を明確に持つ西洋と、連続的な状況を作る日本。
若い受賞者のトークを聞きながら、活躍と学びの機会を得られる良いコンペであるなと。日本発の哲学に、国際コンペ、新しい切り口の発明が生まれる。
日本語の『うち』が背負う広がりがすべてを象徴している。D/Hの考察、入り隅の空間、仰角・俯角から考える町並み、など切り口の面白さがあった。
6/14
ほしい暮らしは自分でつくる ぼくらのリノベーションまちづくり
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